「慢性便秘症診療ガイドライン2017」の便秘の分類について解説

まつ子
こんにちは!管理栄養士のまつ子です。
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便秘には種類がありますが、その分類も調べると、書籍やサイトによって多少なりとも異なっていました。
私も混乱して頭を悩ませていましたが、2017年に「慢性便秘症診療ガイドライン」が出て、そこに記載されている分類こそ、国際基準として使用されているもので、検査を用いた定量的な研究で用いるのにとてもよい分類だそうです。最新の医学的な分類だと思います。
今回はその「慢性便秘症診療ガイドライン」の分類について私なりに読み解いたものをご説明したいと思います。
※内容が医学的であること、個人で便秘の原因を考える上では少しわかりにくいため、このブログでは従来の分類で紹介していきます。

従来の分類についての内容はこちら

慢性便秘症診療ガイドラインによる便秘の種類とは

こちらが分類になります。

便秘には、便が作られる過程や排便の仕組みに障害があって起こる「機能性便秘」と、腸そのものの病変によって起こる「器質性便秘」があります。

ちなみに私がこのブログで紹介するのはこの機能性型便秘についてになります。

機能性型便秘

機能性便秘の主な原因は、胃、小腸、大腸などの消化器官の機能低下です。

機能性便秘は、「排便回数減少型」「排便困難型」に分類されます。

排便回数減少型

排便回数や排便量が減少して、腸に便が過剰にたまるため、お腹が張ったり、お腹が痛くなるなどの症状があります。

また腸内での便の停滞時間が長いため、便が固くなりなかなか排出できなくなります。

排便回数減少型には、大腸の通過遅延型と、大腸の通過正常型に分類されます。

大腸の通過遅延型

大腸が便を送る能力が低下しているため、排便回数や排便流が減少する便秘です。

原因として、

  • 症候性(代謝・内分泌疾患、神経・筋疾患、膠原病など)
  • 薬剤性(向精神薬、抗コリン薬、オピオイド系薬の服用など)
  • 特発性(原因不明)

大腸の機能正常型

大腸が便を送る能力が正常にも関わらず排便回数や排便量が減少する便秘です。

原因として

  • ダイエットをして、食べる量が少なくなった場合
  • 便の成分になる食物繊維が少ない食事(肉類など)を摂り過ぎた場合

排便困難型

排便時に直腸内の便を十分量かつ快適に排出できず、排便が困難である、また残便感がある便秘です。

大腸の通過正常型

排便回数や排便量が減少していないにも関わらず、便が硬く、排便困難や過剰に腹部に力をいれていきんでしまう。

原因として

  • ストレス
  • 下剤の乱用
  • 便秘型の過敏性腸症候群

機能性便排出障害

機能的な病態によって、直腸にある便をうまく排出できない便排出障害のために、残便感が生じる便秘。

原因として

  • 高齢や出産により、筋力が低下し、いきみずらくなる
  • 便意を我慢し過ぎて、便意が脳に伝わらなくなる
  • 浣腸を乱用により、便意が脳に伝わらなくなる

・便秘には、便が作られる過程や排便の仕組みに障害があって起こる「機能性便秘」と、腸そのものの病変によって起こる「器質性便秘」がある。

・機能性便秘には、主に便が作られる過程で起こる腸内での障害=排便回数減少型と、出る寸前にある直腸内での障害=排便困難型に分類される。

・当ブログで紹介するのはこの機能性型便秘についてになります。

 

あなたはどの便秘に当てはまりますか?

ちなみに私は、一日1回が便が出ますが、すっきりすることはなく強い残便感があるので、排便困難型になります。

排便困難型でも大腸の通過正常型の中の、過敏性腸症候群の傾向が強いです。

便秘で悩んでる方へ
・ダイエットで食べる量が少ない人は…「排便回数減少型」の「大腸の通過正常型」の疑い
・糖質ダイエットをしている人は…「排便回数減少型」の「大腸の通過正常型」の疑い
・野菜の摂取量が少ない人は…「排便回数減少型」の「大腸の通過正常型」の疑い
・過度なストレスを抱えている人は…「排便困難型」の「大腸の通過正常型」の疑い
・よく便意を我慢する人は…「排便困難型」の「大腸の通過正常型」の疑い
このような分類に当てはまるかと思います。

紹介文献

「慢性便秘症診療ガイドライン2017」日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会編 南江堂